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リビング階段

2025.12.19

担当:鈴木(貴) (本社)

リビング階段とは、リビング空間の中に階段を配置する間取りのことを指します。
近年の注文住宅では非常に人気が高く、「家族とのコミュニケーションを大切にしたい」「開放感のあるおしゃれな家にしたい」と考える方を中心に、多く採用されています。

一方で、インターネットやSNSでは
「冬に寒い」「音やにおいが気になる」「後悔した」
といった声が見られるのも事実です。これは、リビング階段そのものが悪いのではなく、住宅性能や間取り設計が合っていなかったことが原因であるケースがほとんどです。

注文住宅では、ライフスタイルや家族構成、将来の暮らし方に合わせて間取りを自由に設計できるからこそ、リビング階段のメリットを最大限に活かし、デメリットを抑えることが重要になります。

この先の章では、

  • リビング階段の基本的な考え方
  • メリット・デメリット
  • 後悔しやすいポイントとその対策
  • 向いている家庭・向いていない家庭

を、注文住宅の専門家の視点で詳しく解説していきます。

リビング階段とは?注文住宅で採用される理由

リビング階段は単なる間取りの選択肢ではなく、家族の生活スタイルや住まいのデザイン性に大きく影響する要素です。注文住宅で採用される理由は、単に見た目が良いからだけでなく、家族のコミュニケーション促進や空間の有効活用など、多角的なメリットがあるためです。この章では、リビング階段の基本的な特徴や従来の廊下階段との違い、人気の背景について解説します。

リビング階段の基本的な間取りと特徴

リビング階段は、玄関ホールではなくリビングの中に階段を設置する間取りです。具体的には、リビングの端や中央に階段があり、家族が2階へ行く際には必ずリビングを通る動線となります。
特徴としては以下の通りです。

  • 家族の視線が自然に交わる
    子どもが帰宅した時や、家族が2階に上がるタイミングで顔を合わせやすい。
  • 開放感のある空間
    吹き抜けと組み合わせることで視線が抜け、リビング全体が広く感じられる。
  • デザイン性が高い
    スケルトン階段やアイアン手すりを採用することで、インテリアのアクセントにもなる。
  • 動線効率が良い
    廊下を短くすることで、LDKや収納など生活空間を広く確保できる。

廊下階段との違い

従来の住宅では、階段は玄関ホールや廊下に設置されることが一般的です。この「廊下階段」とリビング階段には次のような違いがあります。

  • 家族との接触頻度
    廊下階段は2階へ行く際にリビングを通らないため、自然なコミュニケーションは生まれにくい。
  • 空間の広がり
    廊下階段は階段が独立しているため、リビングの開放感は限定的。
  • 動線効率
    廊下階段は廊下の面積分、居住スペースが減ることが多い。

つまり、リビング階段はコミュニケーションとデザイン性を重視する家に向いている間取りと言えます。

注文住宅でリビング階段が人気の背景

注文住宅でリビング階段が人気の理由は、次の3つの要素に集約されます。

  1. 家族のつながりを重視するライフスタイルの増加
    共働きや子育て世帯では、家族が顔を合わせやすい間取りが求められています。
  2. デザイン性の高さ
    アイアン手すりやスケルトン階段を採用することで、リビングにアクセントを加えられ、モデルハウスや雑誌で注目されています。
  3. 限られた住宅スペースの有効活用
    廊下スペースを減らし、LDKや収納を広くできるため、延床面積の制約がある都市部でも採用しやすい。

このように、リビング階段は単なるデザインではなく、生活動線や空間効率を意識した間取りとして、注文住宅で広く採用されるようになっています。

リビング階段のメリット

リビング階段を採用することで得られるメリットは、家族のコミュニケーション促進、空間の開放感、間取りの有効活用に大別できます。注文住宅では自由度が高いため、設計次第でこれらのメリットを最大限に引き出すことが可能です。この章では、具体的にどのような利点があるのかを詳しく解説します。

家族のコミュニケーションが自然に増える

リビング階段の最大の特徴は、2階に行く際に必ずリビングを通る動線になる点です。これにより、日常生活の中で自然に家族の声や行動を確認でき、コミュニケーションの機会が増えます。
具体例としては以下があります。

  • 子どもが学校から帰宅した時に親がすぐ気づける
  • 家族が2階へ上がるタイミングで声かけができる
  • 思春期の子どもとも距離感を保ちながらつながりを持てる

このように、家族の顔が見える設計は、共働き世帯や子育て世帯に特に好まれています。

リビングが開放的でおしゃれな空間になる

リビング階段は、吹き抜けやスケルトン階段と組み合わせることで視線が抜け、空間が広く感じられるという特徴があります。
デザイン面でもメリットが多く、例えば:

  • アイアン手すりや木材の質感を生かした階段でインテリアのアクセントになる
  • 吹き抜けとの相性が良く、自然光をリビング全体に取り込みやすい
  • 階段の形状や位置次第でリビング空間に立体的なデザイン性を加えられる

これにより、単なる生活動線ではなく、家の雰囲気を高める重要な要素として機能します。

廊下を減らして間取りを有効活用できる

従来の廊下階段では、階段にアクセスするための廊下スペースが必要となり、延床面積の一部が無駄になりがちです。
一方でリビング階段は、リビング内に階段を配置することで廊下スペースを削減でき、以下のメリットがあります。

  • LDKや収納スペースを広く確保できる
  • 家族が集まる空間を最大化できる
  • 限られた延床面積でも効率的な間取りが実現可能

特に都市部の住宅や小さな敷地では、空間効率の向上は大きなメリットとなります。

リビング階段のデメリット

リビング階段はデザイン性や家族のつながりを強化するメリットがありますが、住宅性能や生活動線によってはデメリットが目立つ場合もあります。この章では、特に注文住宅で後悔しやすいポイントを中心に、具体的に解説します。

冷暖房効率が下がりやすい

リビング階段の構造上、階段を通じて暖気や冷気が上下階に移動しやすくなるため、冷暖房効率が低下しやすい傾向があります。特に吹き抜けと組み合わせる場合、冬は2階へ暖気が逃げ、夏は1階に冷気が届きにくくなることがあります。
対策としては以下が有効です。

  • 高断熱・高気密住宅(UA値やC値を意識)を選ぶ
  • 樹脂サッシやLow-E複層ガラスを採用する
  • 階段入口に引き戸や扉を設置して空気の流れを調整する

住宅性能の工夫次第で、冷暖房効率の低下を最小限に抑えることが可能です。

音やにおいが2階まで伝わりやすい

リビング階段は空間がつながっているため、テレビの音、会話、料理のにおいなどが2階に届きやすくなります。特に子どもが勉強している時や、来客時に生活音が気になることがあります。
解決策としては、

  • 階段周辺の壁や手すりを防音仕様にする
  • キッチンの換気性能を上げる
  • 階段入口に扉やパーテーションを設置する

など、生活スタイルに合わせた設計の工夫が必要です。

来客時にプライバシーを確保しにくい

リビング階段はリビングを通らないと2階に上がれない動線となるため、来客が多い家庭ではプライバシーが気になる場合があります。特に2階に寝室や書斎を配置している場合、リビングを通らざるを得ないことで不便を感じることがあります。
対策としては、

  • 階段の位置をリビングの端に寄せる
  • 引き戸やパーテーションで視線を遮る
  • 来客動線と家族動線を分けた間取り設計

これらを事前に検討することで、リビング階段のデメリットを軽減できます。

リビング階段で後悔しないための設計ポイント

リビング階段は設計次第でメリットを最大化し、デメリットを最小化できます。注文住宅では自由度が高いため、住宅性能や動線、将来のライフスタイルに応じた工夫が重要です。この章では、具体的な設計ポイントを詳しく解説します。

断熱性能・気密性能を重視した家づくり

リビング階段で快適な室内環境を維持するためには、住宅の断熱性能・気密性能が不可欠です。特に吹き抜けと組み合わせる場合は、暖気や冷気が逃げやすくなるため、次の点を検討しましょう。

  • UA値・C値の確認:住宅全体の断熱・気密性能を数値で把握
  • 樹脂サッシやLow-E複層ガラスの採用
  • 壁や天井の断熱材を高性能にする

これらを採用することで、冬でも寒くなく、夏でも涼しいリビング階段を実現できます。

この記事を書いた人

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鈴木(貴) (本社)

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