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注文住宅でできる水害対策と安全な家づくりのポイント

2025.09.18

担当:梅田 (本社)

大雨による住宅被害(洪水・内水氾濫・土砂災害など)のリスクと、一番危険な災害、家庭でできる水害対策、注文住宅で備えるための工夫を解説。安全な家づくりを考える方に役立つ防災ガイドです。

住宅の雨災害について

日本は四季がはっきりしており、特に梅雨や台風のシーズンには大雨による住宅被害が頻発します。地球温暖化の影響で局地的な豪雨が増えており、従来よりも短時間で想定外の被害が起こるケースが目立ちます。特に都市部では排水能力を超える豪雨による浸水が、地方や山間部では土砂災害が深刻なリスクとなっています。

注文住宅を建てる際は「立地条件」「住宅の構造」「災害への備え方」をあらかじめ考慮することで、雨災害の被害を大幅に軽減できます。このページでは、住宅の雨災害の種類や危険度、そして家庭や建築段階でできる具体的な対策について詳しく解説していきます。

大雨によって起こる主な災害

大雨が降ったときに起こる災害は一種類ではなく、地域や地形によって異なるリスクが存在します。住宅を守るためには、それぞれの災害の特徴を正しく理解しておくことが大切です。ここでは代表的な災害について解説します。

河川氾濫(洪水)による住宅被害

河川の水位が上昇し、堤防を越えたり決壊することで周辺の住宅地が浸水します。水深が1メートルを超えると一階部分はほぼ水没し、家財道具や床・壁が大きな被害を受けます。氾濫した水には泥や生活排水が混ざるため、浸水後の衛生被害も深刻です。河川近くの土地に家を建てる場合は、ハザードマップで想定浸水深を確認することが必須です。

都市部で多い内水氾濫

都市部では道路や住宅の舗装が多く、雨水が地面に浸透しにくいため、一気に排水設備に集中します。下水道の処理能力を超えると、マンホールや排水口から水が逆流し、低地の住宅や地下室に浸水が発生します。短時間で水位が上がるため、普段は安全と感じる地域でも被害が起こり得ます。特に新興住宅地や低地の一戸建てでは注意が必要です。

突発的で危険度が高い土砂災害

土砂災害は大雨によって斜面や山の地盤が緩み、土石流・地すべり・がけ崩れが発生する現象です。洪水や内水氾濫に比べて予兆が少なく、発生すれば一瞬で家を押しつぶす危険性があります。特に山際や傾斜地に建つ住宅はリスクが高いため、事前に「土砂災害警戒区域」を確認し、危険度の高い場所での建築は避けるべきです。

ゲリラ豪雨による都市型水害

近年増加しているゲリラ豪雨は、局地的に短時間で猛烈な雨を降らせます。都市部では排水が間に合わず、道路や地下街、住宅の敷地内が急速に浸水するケースが多く見られます。特に地下室を備えた住宅や、周囲より低い土地に建つ住宅は水害に直結します。都市型水害は「一見安全なエリア」でも発生するため油断できません。

地下空間の浸水リスク

地下室や半地下のガレージは水が流れ込みやすい構造です。短時間で水位が上昇するとドアが水圧で開かなくなり、避難が困難になる恐れもあります。また電気設備が浸水すると感電や火災の危険性も伴います。地下空間を設計する際は、防水工事や排水設備の強化が欠かせません。

一番危険な災害はどれか?

大雨による災害には洪水や浸水などさまざまなものがありますが、命の危険度という点で最も警戒すべきは「土砂災害」です。洪水や内水氾濫はある程度水位の上昇を確認してから避難できますが、土砂災害は予兆が少なく、一瞬で住宅をのみ込む可能性があります。そのため、災害の種類ごとに危険度を正しく理解し、特に土砂災害に対しては早めの避難を心がけることが重要です。

土砂災害が特に危険な理由

土砂災害は、斜面や地盤が大雨によって急激に緩み、突然崩れる現象です。発生時には音や揺れを感じる間もなく、土砂や岩が住宅を押し流します。そのため、逃げる時間が極端に短く、住民が被害に巻き込まれるケースが後を絶ちません。さらに、夜間や豪雨の中では周囲の状況を把握しにくく、避難が遅れやすい点もリスクを高めています。特に「土砂災害警戒区域」や「特別警戒区域」に指定されている場所では、住宅建築の際に十分な検討と対策が不可欠です。

洪水・浸水との違いと避難の余裕

洪水や内水氾濫は、時間の経過とともに水位が上昇していくため、早めに情報を収集すれば避難の余裕があります。家財への被害は大きいものの、人命への直接的なリスクは土砂災害に比べて低いといえます。しかし、油断は禁物で、浸水深が1メートルを超えれば避難自体が困難になります。つまり、洪水や浸水は「備えと行動次第でリスクを減らせる災害」である一方、土砂災害は「備えていても即時避難が必要な災害」である点が最大の違いです。

家の中でできる大雨対策

大雨による災害は外からの影響だけでなく、家の中の備えによって被害を大きく減らすことができます。特に停電や断水、浸水のリスクに備えた準備を整えておくことが、家族の安全を守るカギとなります。注文住宅を建てる段階でも、こうした対策を想定した収納や間取りを取り入れることが有効です。

停電や断水に備える準備

大雨の際には停電や断水が発生することが珍しくありません。そのため、懐中電灯やランタン、モバイルバッテリーを複数用意しておきましょう。飲料水は1人あたり1日3リットルを目安に、最低3日分を備蓄することが推奨されています。また、簡単に調理できる非常食をストックしておくと安心です。停電時には冷蔵庫やIHコンロが使えなくなるため、ガスボンベ式コンロがあると非常に役立ちます。

家電・貴重品を守る工夫

床上浸水に備えて、冷蔵庫や洗濯機といった大型家電は脚部に高さをつけるか、可能であれば2階へ移動させます。通帳や保険証券、権利証などの重要書類は防水ケースに入れて、すぐに持ち出せるようにしておきましょう。パソコンや外付けHDDに保存している大切なデータは、クラウドストレージにもバックアップしておくと、万が一の浸水時にも失われません。

h3 非常持ち出し袋と避難ルートの確認

急な避難に備えて、非常持ち出し袋を玄関近くに常備しておきましょう。中には水・食料・救急セット・懐中電灯・モバイルバッテリー・現金など最低限必要なものを入れておきます。さらに大切なのは、家族全員が「どこへ避難するのか」「どうやって連絡を取るのか」を共有しておくことです。特に夜間や豪雨の中では視界が悪くなるため、避難ルートは日中に歩いて確認しておくと安心です。

災害を防ぐための住宅まわりの工夫

家の中の備えと同時に、住宅まわりの環境を整えておくことも大雨対策の大切なポイントです。ちょっとした整備や道具の準備によって、浸水や被害を大幅に減らすことが可能です。特に注文住宅を建てる場合には、敷地の排水計画や外構設計の段階から水害リスクを考慮しておくと安心です。

雨どいや排水設備の点検

雨どいや排水口が詰まっていると、大雨の際に水があふれ、外壁や基礎部分へ浸水の原因になります。落ち葉や泥が詰まりやすいため、定期的に掃除を行いましょう。特に屋根の雨どいは高所作業になるため、専門業者に点検を依頼するのも有効です。また、敷地全体の排水経路を見直し、道路や側溝へスムーズに水が流れるよう整備しておくことが重要です。

土のうや止水板の設置

玄関や駐車場の入り口、勝手口などは水が入り込みやすい場所です。事前に土のうや止水板を用意しておくことで、一時的に浸水を防ぐことができます。最近では繰り返し使える簡易型の止水板も普及しており、設置も簡単です。特に地下室や半地下ガレージがある住宅では、止水板の設置は必須といえます。

庭やベランダの片付け

大雨や強風時には、庭やベランダに置いた鉢植えや物干し竿、ガーデン家具などが流されて排水を塞いでしまうことがあります。これが原因で水の流れが妨げられると、浸水被害が一気に広がります。日頃から不要なものを外に出しっぱなしにせず、台風や豪雨の予報があるときには屋内へ片付けることを習慣にしましょう。

家の中の防災対策

住宅の外まわりを整備するだけでなく、家の内部でも防災を意識した対策を取ることで、大雨時の安全性が格段に高まります。注文住宅を計画する際には、日常生活に支障が出ない形で防災機能を取り入れることがポイントです。

2階に避難スペースを確保する

床上浸水が発生した場合、一時的に避難できるのは2階部分です。そのため、寝室や子ども部屋など生活空間をなるべく2階に配置しておくと安心です。また、非常用品をまとめた収納を2階にも用意しておくと、避難時に慌てずに行動できます。将来を見据えて、バリアフリーを考慮した階段や手すりを設置しておくことも大切です。

感電防止のためのブレーカー管理

浸水が始まった場合、電気設備が濡れることで感電や火災の危険があります。万が一に備えて、ブレーカーの位置と操作方法を家族全員が把握しておきましょう。注文住宅であれば、分電盤を1階の低い位置ではなく高めの場所に設置しておくと安心です。さらに、漏電遮断機を導入すれば、万が一の感電リスクを大幅に減らせます。

大事な書類の防水・保管方法

通帳や登記簿、保険証券などの重要書類は、浸水によって失われると復旧に大きな手間がかかります。防水ケースや耐火金庫を活用し、2階以上に保管するのが基本です。デジタル化できるものはスキャンしてクラウドストレージに保存しておくと、被災後の手続きもスムーズになります。

家庭でできる水害対策

日常生活の中でできる小さな工夫や設備の導入によって、水害リスクを大きく減らすことができます。特に浸水対策は、いざという時にすぐに設置できる道具を準備しておくことがポイントです。注文住宅を建てる際にも、外構計画や設備選びの段階で水害対策を取り入れると安心です。

簡易止水板で玄関を守る

玄関や勝手口は浸水の入り口になりやすい場所です。簡易止水板を取り付けることで、水の流入を一時的に防ぐことができます。従来の土のうに比べて設置や撤去が容易で、繰り返し使用できるタイプもあります。特に浸水想定区域内に住んでいる場合は、止水板を常備しておくことが強く推奨されます。

水中ポンプや排水ポンプの活用

住宅の低地部分や地下室がある場合、水が溜まると排水が追いつかなくなります。そこで役立つのが水中ポンプや排水ポンプです。家庭用の小型タイプであれば電源さえ確保できれば簡単に設置でき、浸水の早期排水に効果的です。注文住宅を設計する段階で、あらかじめポンプの設置場所や電源確保の方法を考えておくと安心です。

車を守るための駐車場所選び

大雨で住宅だけでなく、自動車が水没するケースも少なくありません。車は床上浸水で簡単に故障し、修理不能となる場合もあります。そのため、大雨が予想されるときは、高台の駐車場や立体駐車場へ移動させることが望ましいです。注文住宅を建てる際には、駐車スペースの高さや排水性を考慮した設計にすることで、車の水害リスクを減らすことができます。

水害に強い住宅の建て方

住宅自体の構造や立地を工夫することで、水害に強い家を作ることが可能です。注文住宅を建てる段階でこれらのポイントを押さえておくと、浸水被害を大幅に減らし、家族の安全を確保できます。

高台や安全な土地の選び方

まず基本となるのは「安全な土地選び」です。洪水や内水氾濫のリスクが低い高台や、ハザードマップで浸水想定区域外の土地を選ぶことが重要です。また、周囲の排水環境や土地の傾斜も確認しましょう。低地や埋立地は浸水リスクが高いため、避けるのが安全です。土地選びは住宅の耐久性だけでなく、災害時の避難安全性にも直結します。

高床式やピロティ構造で床上浸水を防ぐ

住宅の床を地面から高くする高床式や、駐車場や玄関部分を吹き抜けにしたピロティ構造は、浸水被害を直接防ぐ有効な手段です。床上浸水の被害を避けるだけでなく、家具や家電を置く生活空間を守ることができます。特に洪水や内水氾濫リスクのある地域では、このような構造を取り入れることが安心につながります。

基礎・構造に取り入れたい防水設計

基礎や床下部分を防水コンクリートで施工したり、止水パッキンを使用するなど、構造的に水害に強い設計を取り入れることも大切です。地下室や半地下スペースを設ける場合は、水の侵入を防ぐための水密扉や排水設備を併用するとさらに安全です。また、外壁や窓回りも雨水の浸入を防ぐ施工を施すことで、住宅全体の耐水性を高められます。

大雨に備えて大切な考え方

大雨による災害は、住宅や設備の備えだけでは十分ではありません。災害時に命を守るためには、日頃からの意識づけと行動計画が不可欠です。家族全員で情報を共有し、避難の判断基準を理解しておくことで、被害を最小限に抑えることができます。

避難判断のタイミング

大雨警報や土砂災害警戒情報など、防災情報をもとに「いつ避難するか」を事前に決めておくことが重要です。特に高齢者や小さな子どもがいる家庭では、警戒レベル3(高齢者等避難)を目安に早めに避難行動を開始するのが安全です。浸水や土砂災害は時間との勝負になるため、少しでも不安を感じたら行動を遅らせず避難することが大切です。

家族で共有すべき連絡方法

災害時には携帯電話の通話がつながりにくくなる場合があります。そのため、家族全員で連絡方法を事前に決めておくことが重要です。災害用伝言ダイヤルやLINEの位置情報機能、防災アプリを活用することで、互いの安全を確認しやすくなります。また、避難場所や避難ルートも家族全員で共有しておくことで、混乱を避けられます。

正常化バイアスに注意する

災害時には「自分の家は大丈夫」「今回は大丈夫だろう」と考え、行動が遅れる心理現象を正常化バイアスと呼びます。過去に被害がなかった場所でも、状況次第で浸水や土砂災害が発生する可能性があります。情報を冷静に受け止め、早めの避難を心がけることが、命を守る最も重要な考え方です。

家の中に水が入ってきたときの行動

万が一、住宅内に水が流れ込んできた場合、迅速かつ冷静に行動することが命を守るポイントです。浸水の初期段階で適切な対応を取れば、被害を最小限に抑えられます。ここでは具体的な行動手順を解説します。

ブレーカーを落として感電を防ぐ

浸水が始まったら、まずブレーカーを落として電気を遮断しましょう。水に触れた電気設備は感電の危険があります。水位が上がる前に分電盤の位置と操作方法を確認し、家族全員が操作できるようにしておくことが重要です。可能であれば、分電盤を高い位置に設置しておくと、浸水時でも操作が容易です。

高い場所に避難するためのステップ

水が膝以上に達する前に、2階や屋根など安全な高所へ避難します。家具を足場として無理に移動するよりも、事前に決めておいた避難ルートや避難スペースに移動することが安全です。避難中は濡れた床や段差に注意し、家族全員が一緒に行動することが望ましいです。

水の中を移動するときの注意点

やむを得ず水の中を移動する場合は、マンホールや側溝に注意してください。水流や見えない段差によって転倒・吸い込まれの危険があります。棒や傘などで地面の状態を確認しながら進むと安全性が高まります。また、靴や長靴を履くことで足元の安全を確保しましょう。可能な限り水中での移動は避け、高所への避難を最優先にしてください。

「よくある質問」 

Q1. 大雨で一番危険な災害は何ですか?

最も危険なのは「土砂災害」です。斜面や地盤が大雨で急に崩れるため、発生が突然で避難の時間がほとんどなく、住宅ごと押し流される可能性があります。洪水や浸水に比べて予測が難しく、夜間や豪雨時には特に注意が必要です。

Q2. 家の中でできる簡単な浸水対策は?

家電や貴重品を高い場所へ移動し、防水ケースで書類を保管します。玄関や勝手口には簡易止水板や土のうを設置し、非常持ち出し袋を玄関付近に置くと迅速な避難に備えられます。

Q3. 注文住宅を建てるときに雨災害への備えは必要ですか?

必要です。住宅の立地、床の高さ、排水計画、基礎・外壁の防水設計を考慮することで、浸水被害や土砂災害リスクを大幅に減らせます。ハザードマップや自治体規制を確認して計画することが重要です。

Q4. 水害に強い土地の見分け方は?

高台や浸水想定区域外の土地を選ぶことが基本です。土地の傾斜や周囲の排水環境も確認し、洪水や内水氾濫のリスクが低い場所を選ぶと安全です。

Q5. 家に水が入ってきたらまず何をすべきですか?

ブレーカーを落として感電を防ぎ、貴重品や非常用品を高い場所に移動します。その後、2階や屋根など高所へ避難することが最優先です。安全が確保できるまでは水中での移動は最小限にしてください。

Q6. 土砂災害の危険がある場所では家を建てられないの?

原則として建築が制限される「土砂災害特別警戒区域」では、建築許可が下りないか、厳しい規制があります。どうしても建てる場合は、地盤補強や斜面の擁壁工事、防災計画の提出など、専門的な対策が必要です。

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