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ランニングコストの少ない家とは

2025.09.03

担当:鳴海 (秋田本店)

家を建てるとき、多くの方が「建築費」や「土地代」といった初期費用に目を向けます。

しかし実際には、建てた後に毎月・毎年かかり続ける光熱費やメンテナンス費用、税金などのランニングコストも、家計に大きな影響を与えます。

この記事では「ランニングコストの少ない家とは?」という疑問に答えながら、維持費を抑えつつ長く快適に暮らせる家づくりのポイントを解説します。これから注文住宅を検討している方にとって、必ず役立つ内容です。

「ランニングコストの少ない家とは?」

ランニングコストの意味(光熱費・メンテナンス・税金など)

住宅のランニングコストとは、住み続けるために必要となる継続的な費用のことです。主に以下が含まれます。

  • 光熱費(電気代・ガス代・水道代)
  • 定期的なメンテナンス費(外壁塗装、屋根補修、設備交換など)
  • 固定資産税や火災保険料

これらは毎年積み重なっていくため、家を建てるときにどれくらいかかるかを意識することが重要です。

「初期費用」との違い

初期費用は、建築費や土地代、設計費用など「最初に必要なお金」のこと。

 一方ランニングコストは「住んでから払い続けるお金」で、住宅ローン返済が終わった後も発生し続けるのが特徴です。

 安さだけで家を建てると、結果的に維持費が高くなり「トータルコスト」で損をしてしまうケースもあります。

ランニングコストが少ない家の特徴

ランニングコストを抑える家にはいくつかの共通点があります。これらを意識して設計・仕様を選ぶことで、毎月の支出や将来のメンテナンス費用を大幅に削減できます。

高気密・高断熱で冷暖房費を抑えられる

断熱性能や気密性が高い家は、夏は涼しく、冬は暖かく保てるため、冷暖房にかかるエネルギーが少なく済みます。

たとえば、UA値(外皮平均熱貫流率)やC値(気密性能)を重視した住宅にすることで、光熱費は一般的な住宅に比べて年間数万円以上の差が出ることもあります。

省エネ設備(エコキュート・LED・太陽光発電)で光熱費削減

省エネ家電や設備を導入することも、ランニングコスト削減に効果的です。

  • エコキュート:電気代の安い深夜電力を利用してお湯を作る
  • LED照明:寿命が長く、消費電力が少ない
  • 太陽光発電+蓄電池:自家消費で電気代を大幅に削減可能

初期投資はかかりますが、長期的に見れば光熱費の削減効果が高く、補助金を活用すればさらにお得になります。

メンテナンスコストが低い外壁や屋根材

外壁や屋根は定期的な修繕が必要ですが、素材選びによって維持費が大きく変わります。

  • 外壁:タイル貼り → 汚れに強く、ほぼメンテナンス不要
  • 屋根:スレート → 10〜15年で塗装・補修が必要
  • 屋根:ガルバリウム鋼板 → 20〜30年と耐久性が高い

初期費用がやや高い素材でも、長期的に見れば修繕回数が少なく、トータルで安く済むことが多いです。

耐久性の高い構造や素材で長持ちする家

家の基本構造がしっかりしていると、大規模な修繕が必要になるまでの期間を延ばせます。

  • 防腐・防蟻処理をした木材
  • 湿気に強い基礎構造
  • 劣化対策等級(住宅性能表示制度)の等級3を取得した家

これらは「長く快適に住める家」に直結し、結果的にランニングコストの低減につながります。

実際にどれくらい差が出るのか?

「ランニングコストが少ない家」と「一般的な家」では、実際にどれくらい維持費が変わるのか気になる方も多いでしょう。ここでは光熱費やトータルコストの差を具体的にイメージできるように解説します。

高断熱住宅と一般住宅の光熱費比較シミュレーション

断熱性能が高い家では、冷暖房費を大幅に抑えることができます。

たとえば、延床30坪ほどの住宅を想定した場合:

  • 一般的な住宅 → 年間光熱費:約20〜25万円
  • 高気密・高断熱住宅 → 年間光熱費:約12〜15万円

年間で5〜10万円ほどの差が出ることも珍しくありません。30年間住み続ければ、150〜300万円の節約につながります。

太陽光・蓄電池導入で年間いくら削減できるか

太陽光発電を設置すれば、自家消費で電気代を大幅に削減できます。

  • 太陽光発電のみ → 年間光熱費が約7〜10万円削減
  • 太陽光+蓄電池 → 昼夜問わず自家消費でき、年間10〜15万円削減も可能

さらに、余った電気を売電すれば収入にもなります。導入コストはかかりますが、10〜12年程度で元が取れるケースが多いとされています。

20年・30年単位で見たトータルコストの違い

短期的には初期費用が高く見えても、長期的に見ると差は歴然です。

例:一般住宅とランニングコストの少ない住宅を30年間比較した場合

  • 一般住宅 → 光熱費・修繕費トータル 約1,000万円
  • 高性能住宅 → 光熱費・修繕費トータル 約600〜700万円

つまり、30年で300〜400万円以上の差が出る可能性があります。

 「安く建てたはずの家」が、長い目で見ると維持費で高くついてしまうこともあるため、トータルで考えることが大切です。

ランニングコストを抑える工夫とポイント

ランニングコストは「建ててからの工夫」だけでなく、設計段階や仕様選びの工夫で大きく変わります。ここでは、維持費を抑えるために押さえておきたいポイントを解説します。

建材・設備の選び方で注意する点

建材や設備は「安いから」という理由だけで選ぶと、結果的に維持費が高くなることがあります。

  1. 外壁材 → タイル張りはほぼメンテナンス不要。シーリングレスサイディングや、ガルバリウム鋼板もおすすめ
  2. 給湯器 → 一般的なガス給湯器より、ランニングコストが安いエコキュートがおすすめ
  3. 窓 → アルミサッシよりも樹脂サッシ・複層ガラスの方が断熱効果が高い

「初期費用は高いけれど、長く使えて光熱費や修繕費を抑えられる」選択を意識しましょう。

メンテナンス費用を抑える素材選び

家は時間が経つと必ずメンテナンスが必要になりますが、その頻度を減らすだけでも大きな節約になります。

  1. 外壁:耐久性の高いタイル貼りや高耐候塗料を選ぶ
  2. 屋根:スレートよりもガルバリウム鋼板の方がメンテ周期が長い
  3. 床材:無垢フローリングは高級感があるが、メンテ手間がかかる → 複合フローリングで耐久性アップ

「なるべく手をかけなくても長持ちする素材」を選ぶことが、結果的にランニングコスト削減につながります。

補助金・減税制度の活用方法

国や自治体の補助金・税制優遇を活用すれば、初期投資を抑えながら省エネ住宅を実現できます。

  • 省エネ性能の高い住宅に使える【ZEH補助金】
  • 太陽光や蓄電池導入に使える【再エネ導入補助金】
  • 固定資産税の減額措置(新築から3〜5年間)

こうした制度を上手に使うことで、初期費用とランニングコストの両方を賢く抑えられる可能性があります。

ランニングコストの少ない家を建てる進め方

「維持費が安い家に住みたい」と思っても、どのように家づくりを進めれば良いのか分からない方も多いでしょう。ここでは、実際に建築計画を進める際のポイントを紹介します。

設計段階で工務店・ハウスメーカーに伝えるべきこと

住宅会社に相談するときは、「初期費用よりも長期的なランニングコストを重視したい」と明確に伝えることが大切です。

  • 断熱性能・気密性能をどの程度確保できるか
  • どんな省エネ設備が導入可能か
  • メンテナンス頻度が少ない建材の提案はあるか

最初に希望を伝えておくことで、後から「こんなはずじゃなかった」と後悔するリスクを減らせます。

初期費用とランニングコストのバランスを考える

「安く建てること」だけに注目すると、結果的に維持費が高くなり、トータルでは損をしてしまうことがあります。

  • 外壁や屋根は安価な素材よりも、長持ちする素材を選ぶ
  • 太陽光や高断熱仕様は初期費用は高いが、数年〜十数年で回収できる
  • 設備は導入コストと光熱費削減効果を比較して判断

“建築費+維持費の合計=本当の住宅コスト”という視点で考えることが重要です。

実際に建てた人の口コミや事例を参考にする

カタログや営業担当者の説明だけでなく、実際に建てた人の声を参考にするのもおすすめです。

  • 光熱費がどれくらい削減できたか
  • どの建材や設備がメンテナンスで助かったか
  • 逆に「ここは失敗した」と感じたポイント

リアルな体験談は、これから家を建てる人にとって非常に参考になります。SNSや住宅ブログ、完成見学会などを活用するとよいでしょう。

まとめ|トータルコストを意識した家づくりを

家づくりで大切なのは、「建てるときの費用」だけではなく、建てた後にかかる費用=ランニングコストを含めたトータルコストを考えることです。

  • 高気密・高断熱や省エネ設備を導入すれば、光熱費を大幅に削減できる
  • 耐久性の高い建材や構造を選べば、修繕・メンテナンスの手間と費用を減らせる
  • 補助金や減税制度を上手に活用すれば、初期費用を抑えながら高性能住宅を実現できる

短期的に「安い家」を選ぶよりも、長期的にお得で安心して暮らせる家を選ぶことが、最終的に家計にも家族の生活にもメリットをもたらします。

これから家づくりを考える方は、ぜひ「ランニングコストの少ない家」という視点を取り入れて、賢い住まいづくりを進めてみてください。

この記事を書いた人

秋田本店
鳴海 (秋田本店)

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